池間哲郎(アジアチャイルドサポート代表理事)著 致知出版
【目次 】
第1章 ゴミの山で一生懸命に生きる子どもたち―フィリピン
第2章 親のために売られていく娘たち―タイ
第3章 スラム街に学校をつくる―カンボジア
第4章 僕たちはマンホールの中で生きている―モンゴル
第5章 生きることはすばらしいこと
第6章 夢の橋をかける
【本の内容】
沖縄を拠点に、アジアの貧困地域に暮らす子どもたちの支援活動を
命がけで続けている著者が物質的な豊かさの中で、「本当に大切な
もの」を見失ってしまった日本の子どもたち・親たちへ真摯に訴える
メッセージ。
アジアの最下層の子供たちに焦点を当てたドキュメント本。
著者はフィリピンのスモーキーマウンテンで、子供たちに混じって
ゴミ拾いをしてみたところ、2時間で気分が悪くなって吐いて倒れて
しまったという。
充満するガス、強烈な悪臭と異様な熱さ。
大の大人が2時間でギブアップする環境の中で、小さな子供たちは
生きるために1日中働く。
それでも1人分の食費を稼ぎ出すことは難しく、子供たちは空腹を
ごまかすためにビニールのヒモをかじったり、シンナーを吸う。
日本の小学1年生よりも小さい16歳の少年は、あばらが浮き出て
腹部だけが異様に膨れていた。
仲良くなった子供を翌年訪れてみても、多くがもうこの世にいない。
タイトルの「あなたの夢は~私の夢は大人になるまで生きることです」
は、スモーキーマウンテンの少女が無邪気に笑顔で語った言葉。
「子供が大人になることが当たり前ではない」という現実に、先進国で
暮らす私達は、言葉を失う。